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SS
誕生日
12月20日は明かりさんのおたんじょうびでした。
おめでとうございますの報復ケーキです。


バレンタイン2

winter_wonderland_cake_pops_by_keriwgd-d32groz.png

追記にXmaxのSS置いておきます。
赤雫さんのイベント背景なSSなのです(ありがとうございます)
【Xmas-SS】アティルトの夜に

オーラム首都、アティルト。
刻碑暦997年12月。大通りにはクリスマスツリーが展示されている。
立ち並ぶ店が掲げるのはカラフルな売り出しの看板。
街行く人々の表情は、明るい。

軽く興味をひかれて近寄り観れば、ツリーに飾られたのは煌びやかなオブジェ。
そして、中に短冊が紛れ込んでいた。
(いろんな文化がごちゃまぜなんだから、面白いよね)
カルーアは短冊にそっと手を伸ばした。見咎める者もいない。

「えーと…」
書かれた文字に目を通す。

自動で翻訳がされず、意味が読み取れない。
この世界独自にある文字の幾つかに特有の症状だった。

「…エルフ文字だったかな。前に帝都大学で読んだ本に載ってた。
簡単な単語は覚えるようにしておいたはずだが…実際読むのは難しいな」

短冊に書かれている文字を興味深く確認する。
不慣れな言語でつづられた文字を読む。

(まるで異世界にいた頃のようだ…)
懐かしい感情とともに楽しさがこみ上げて、カルーアはひとり笑った。

「寒い…、夜、月、溶けて…」
単語ひとつひとつを読み上げていく。その耳に、明るい声が届いた。

「ゲリライベントだ!」
通りを歩いていた人々が何事かと視線を向けた。
(みんなして同じ方を見て、面白いね)
カルーアはどこかズレた感想を抱き声の元を見守った。

「さあ、並んだ並んだ!クリスマスパーティー用の似顔絵を即席で描くぜ」
赤い帽子の男が威勢よく声をあげ、その一瞬後で慌てた様子で「こっそりな」と付け足した。
声に誘われて、数人が寄っていく。

「10面ダイスを二個振ってくれ。
おれが振った数字に近いやつのクリスマスパーティ用の絵を描く。」
(ほう、ダイスか…)
カルーアは強く興味をひかれた。

「わけありでこっそりだけどな」
付け足す声に、さらに数人が誘われていく。

「じゃ、アタシを描いて貰おうかな♪ 宜しく頼むわ! 」
巨体の女性が声をあげ、ダイスを転がす。

「お、やさぐれサンタさんや。
じゃあ俺でお願い出来るかな。」
顔半分を仮面で覆われた青年がそれに続いた。

(あ、ブランくんだ)
カルーアは目を瞬かせた。
(帝国に身を寄せていたはずだけど、たまたまオーラムに来てたんだね)

「初めましてサンタさん! ここは一つ運試しよ!」
さらに続いた声に視線を向けると、やはり見知った顔。
(ニアスちゃんじゃないか。イズレーンで仕事をしているってきいたけど、奇遇だな)

首をかしげながら見守っていると、サイコロはどんどん振られていった。
「サイコロコロコロー」
黒いうさぎを抱えた少年が楽しそうにサイコロを転がしている。
(楽しそうだな…)
カルーアは思わず釣られてサイコロを転がした。

気づくと、周りにはたくさんの人がいて、皆思い思いにサイコロを転がしていた。
(帝国、イズレーン、そして、)

「皆様に夢を与えるのもメイドの務め。サンタさんも然り。
つまり私はサンタであり、その有り余るサンタ力によって出目も思わずカンストとか
そんな感じのあれなんですかね?」
錯乱している様子のメイド姿。連邦で見知った顔である。

(…連邦も。オーラムの人がやっぱり多いけど、他国の人も多いんだな。)
カルーアはのんびりと人々がサイコロを振る風景を鑑賞した。

「さくさく描くのが俺流ってな!」

赤いサンタ帽をかぶった男性が次々と似顔絵を披露していく。
居並ぶ人々はその手元を覗き込んでは歓声をあげていた。

「おう、この姿で娘たちにプレゼントを…トナカイが渡すのもどうかと思うがわたしてくるな」
トナカイの似顔絵を貰った男が笑顔で手を振り、走っていった。

「えへへ・・・、サンタさんありがとうっ♪」
少女が笑顔でお礼を言い、
また別の少女は元気よくサンタ帽子の男に抱き付いてお礼を言った。

(こういう風景は、好いものだな)
カルーアがほんわかと頬を緩めていると、一枚の紙が差し出された。
「ん?」
「ほら、カルーアだ。カルーアには前描いてもらったし、ちょうど良…」
見るとサンタ帽子の男がいた。よく見ると顔に見覚えがある。
「あ…、」
カルーアは、黄金の門の名を掲げた酒場での顔ぶれを思い出した。
言葉を交わしたことがある男だった。

「い、いや、おれは通りすがりのサンタだから、前とかないんだけどな」
男は頬をかいて誤魔化した。
(わけありらしいな)
カルーアは頷くと、笑顔で紙を受け取った。
「ありがとう!」
手元を見ると、赤い帽子をかぶったクリスマス衣装の自分がそこにいた。

「わあ、可愛いじゃないか」
そして、ふと思い出す。
通りに居並ぶ店の中に、似たような赤い帽子を置いてある店がなかったか。
購買意欲がほどよく刺激され、カルーアは店があった方角へと足を向けた。
ちらりと人垣を振り返る。
(まさかこの地域の店と連携しての購買促進イベントとか…。まさかね)

遠くなる人の輪。
歓声はまだ続いているようだった。
(あのサンタさん、いつまで描くんだろう。頑張るな…)
歓声を背に、ゆるりゆるりと人ごみに流され人の群れに埋まり…、

――…ふとカルーアは短冊に書かれた単語の幾つかを思い出した。

手   のばす   つなぐ   温度


(全部の意味はわからないが…)
カルーアはアティルトの街並みを眺めながら推測をした。


それは、きっとあたたかな願い事だったに違いない…、と。
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